東京オリンピック(2020年)にかかる経費が、招致活動時に提示された予算を大幅に上回るというニュースが、朝から各局情報番組で取上げられていました。
そんな中、インタビューに答えていたオリンピック実行委員の方が、
あの予算は、招致活動に於ける選挙ピーアールですから、忘れてほしい。
と発言されていて、心底驚きました!
身支度をしながら聞いていたので、正確ではありませんが、意味は間違っていないと思います。
いっそ、聞き間違いであってほしいですが、、、、。
同じく街頭インタビューでは、
自分が仕事でこんな見積ミスをしたら会社が潰れる!
という意見も。
これは、至極納得です。
オリンピックという国を挙げての一大イベントと民間企業の話を単純比較はできませんが、それにしてもちょっとどうなの??
と思わずにはいられなかったので、過去のオリンピックはどうだったんだろうと調べてみました。
オリンピック開催による経済波及効果についても少し触れていますので、よかったらおつきあいください!
オリンピック開催経費は予算の5割増しが当たり前?!
「コンパクトなオリンピック」
を掲げた2020年東京オリンピックですが、費用に関しては「コンパクト」にはならない様子。
2020年に予定されている東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの大会運営費用や会場整備費用が昨年末、当初見込んでいた3013億円の6倍の1兆8000億円に拡大、さらに東京都が負担する大会後整備費用、2241億円を含めると、2兆円を大きく上回ることが明らかになった。
2016/9/27 Business Journal より
リオオリンピック開催時Newsweekの記事によれば、
「五輪開催コストは当初予算の「5割増し」が平均額」
なんだそうですが、それにしても当初予算の6倍というのはやはり、大きすぎる差額。
「差額」とかいうレベルではないですよね??
夏・冬それぞれに過去最高の開催費用がかかったと言われるロンドンオリンピックの最終的な開催費用は150億ドル、ソチオリンピックは219億ドル
日本円にして約1.5兆円と2.9兆円です。
つまり、このままでは「コンパクト」であったはずの東京オリンピックが、過去最高の開催費用を叩き出す可能性も大!という事です。
オリンピックに係る経費といっても、そこには様々なものがあって一概には言えませんが、
オリンピックの為に作られた施設の維持運営費は、オリンピック開催後もずっとかかってくる訳ですし、既に使われた「招致活動費」もあるわけです。
しかしながら、毎回繰り広げられる「招致競争」を思うと、
「自国でのオリンピック開催」
というのは、そこまでしても手に入れたいものと言う事になります。
では、自国開催するメリットとは、どんなものなのでしょうか。
オリンピックを自国開催するメリット
オリンピックを自国で開催する「意味」や「意義」は各国の事情によって様々ではあると思いますが、わかりやすいところで、
「オリンピック開催がもたらす経済波及効果」
について調べてみました。
2013年ではありますが、資産運用サービス会社のサイトにあったこちらの記事がわかりやすかったです。
経済波及効果を、開催地決定時から開催後2~3年で検証されていますが、1988年ソウルと2008年の北京の成長率が目を引きます。
いずれもアジアでの開催ですね。
こうなるとどうしても、1964年の東京オリンピックを考えてしまいます。
この時の経済効果は1兆円と言われていますが、そうした「お金」の話以上に、この時の「東京オリンピック」は、
あの第二次世界大戦で敗戦国となり、焼け野原と化した「首都 東京」が、終戦からわずか19年で「自国オリンピック開催」を成し遂げた!
という事が、最大の「意義」であったことは間違いないと思います。
そうして、その為に整備されたインフラ(新幹線や高速道路等々)が、現在私たちが暮らす社会の基盤を築き上げた訳です。
オリンピックを開催するしないに拘わらず、私たちの生活を支えるそうしたインフラはいずれ整備されたでしょう。
けれども、そこに
「自国オリンピック開催」
という
「ハレの舞台」
が用意された訳です。
日本と言う国の「誇り」をかけた、オリンピック!
それから52年立った今、全く様相の違っている現代において、
「東京オリンピック開催」
が、どんなメリットとデメリットを私たちに与えるのか。
「お金の話」だけでは、無いという事は重々承知しておりますが、出来ることならば、当初目指していた通りに、
コストも大会運営も「コンパクト」でスマートなオリンピック
にする事で、
「安全で洗練された日本の素晴しさ」
を世界に発信して欲しいと思います。
そうして参加する全てのアスリートの皆様が、競技に集中出来る環境を提供し、多くの感動を生み出す力になって欲しいと、心から願ってやみません。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。