ジョーカーゲーム原作小説紹介!2期の可能性とアニメ化してない話は?

ジョーカーゲーム原作小説紹介!2期の可能性とアニメ化してない話は? | Yajiuma-ride!

ジョーカーゲーム原作小説紹介!2期の可能性とアニメ化してない話は?

2016春アニメで私一押しの「ジョーカーゲーム」も最終話を残すのみとなりました。

日本のスパイ物という希少な原作小説の世界観が、美しい作画や、声優さんの「個」を消した演技、メリハリのある脚本や演出で、スタイリッシュに再現されていて、毎回息をのみ画面に釘付けになっいます。

とはいえ原作は「スパイミステリー小説」
短編集ではありますが、24分のアニメ枠に収める為に、カットしたりオリジナルな設定に変わってしまうのも致し方ないところなのはわかっていますが、やっぱり残念でもあります。

特にこの作品は、原作を知っていて観るのと、知らないで観るのでは面白さが随分違ってくると思います!
実は自分も、アニメの3話を視聴後に
「こりゃ、原作読まないとついてけないかも・・・・・・。」
と思って、一気読みした次第。その後は小説で読んだ話が脳内で補完される事によって、グンと面白くより没頭して「ショーカーゲーム」の世界を楽しむ事ができました!

OAは最終回になってしまいますが、録画を残している方や、BD/DVDを観ようと思っている方は、ぜひ原作小説を読んでからもう一度「ジョーカーゲーム」の世界を楽しんで頂きたい!

と言う訳で今日は、原作「ジョーカーゲームシリーズ」を紹介させて頂きますね!

アニメ化されていないお話もありますので、(私が切望する)2期の可能性なんかも少し、考えたいと思います!

現在ネットで配信されている「番外編」の紹介もしていますので、ちょーっと長めですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです!

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※ 小説に対する感想や見解は、一読者としての私の至極個人的なものであります事をご理解頂きますようお願い致します!

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小説「ジョーカーゲーム」シリーズとは?

結城中佐率いる「D機関」の活動を描いた「ジョーカーゲームシリーズ(柳 広司氏著)」は、2008年8月に発売された「ジョーカーゲーム」から2015年1月に発売された「ラスト・ワルツ」まで、現在計4冊のシリーズ。

1冊が3~5話の短編で構成されていて、時系列はまちまちですが、物語は第2次世界大戦前夜、昭和12年に大日本帝国陸軍内に「スパイ養成学校」=「D機関」が結城中佐の元、秘密裏に設立されるところから始まります。

「全てを欺き、生き残れ。」

魔王と呼ばれるスパイマスター結城中佐に「スパイ」の神髄を徹底的にたたき込まれた精鋭「D機関」のメンバーが、世界中のあちらこちらに散らばって「情報戦」を繰り広げるストーリー。

昭和12年っていうと、ドイツポーランド侵攻の2年前。日本は既に国連を脱退しており、世界が第二次世界大戦へ向ってじりじりと進み始めている不穏な時代。実際この頃は、各国が水面下で情報戦を繰り広げていて、敵対国・友好国を選ばず各国スパイが暗躍していた時代です。そしてこの「大戦前夜」っていう設定のお陰で、不穏な時代といいつつもまだ、東京の町は活気があって、大正デモクラシーによってもたらされたアジア風モダンな雰囲気が其処此処に感じられるという、緊張感と哀愁が漂う空気感が「スパイ小説」でありながら「江戸の粋」に通じるかっこよさを感じられちゃったりします。

シリーズ第1作『ジョーカーゲーム』

ジョーカーゲーム表紙 ジョーカーゲームアニメ限定表紙

角川文庫 価格:552円(税別)
【アニメビジュアル特大帯版】は期間限定

収録話

「ジョーカーゲーム」(アニメ第1・2話)
「幽霊 ゴースト」(アニメ8話
「ダブルジョーカー」前編」)
「ロビンソン」(アニメ第5話)
「魔都」(アニメ第4話)
「XX ダブルクロス」(アニメ第12話)

すべてアニメ化されています。

アニメ最終回結末予想ネタバレ!の記事でも書いたのですが、D機関設立のエピソードを、軍から「監視役」として派遣された「佐久間」の視点で描いた「ジョーカーゲーム」で始まり、結城中佐にスカウトされて、陸軍からD機関に入った唯一のnot地方人「飛崎」のD機関卒業試験の話で締めくくっているのが、にくい!
時系列もバラバラで、各話、主要人物も異なる「短編集」なんだけど、1冊の小説としても綺麗に纏まっているんですよね。

この第1作目が発行された時点で「シリーズ化」の意図があったのかどうかはわからないんですが、この1冊で「D機関」と「結城中佐」の 「化け物っぷり」 卓越した能力とスタイリッシュな魅力がぎゅっと詰まっています。

2話目の「幽霊」は途中ハラハラさせられる展開もありつつ、すっきりとした解決で読後感の良いお話。
だったので、アニメで結末が変わってしまったのみならず、蒲生が「風機関」にされてしまったのが本当に残念。
一体なにがどうして「ダブルジョーカー」と合体させられてしまったのか。
確かこの話は、映画のジョーカーゲームでも「設定」が使われていた様な・・・(映画は観てません)
悪変されてしまう宿命を背負ったお話、、、ゴースト恐るべし!

そして、なんといっても「D機関」の選抜試験!
アニメ冒頭でも
「こんな凄い試験や訓練を易々とこなして残った精鋭がD機関なんだよー」
と毎週説明されていますが、小説だと本当に細かい内容がえがかれています。もちろんフィクションですから「そんな事できる人、現実にはいないでしょ?」と言っていしまえばそれまでですが、この小説のモデルと言われている、日本に実在した「陸軍中野学校」の試験も、「D機関」ばりに難易度の高い「変わった試験」だったそうです。
「お国の為にその命を捧げる!」事が、当たり前であったこの時代にあって「生きて虜囚の辱めを受けてもなお生き残り、二重スパイとなって敵を撹乱する」というまさに「死ぬな、殺すな」の教育です。
あの有名な「小野田少尉」もこの学校の卒業生だったそうで、ただ一人生き残り生還された、実存する「D機関」メンバーとなる訳ですよ!やばい、震える。。。。

この「陸軍中野学校」を題材にした映画もいくつかあるようなので、機会があったら是非観てみたいなぁ。

シリーズ第2作『ダブル・ジョーカー』

ダブルジョーカー表紙 ダブルジョーカーアニメ限定表紙

角川文庫 価格:590円(税別)
【アニメビジュアル特大帯版】は期間限定

収録話

「ダブル・ジョーカー」(アニメ第9話)
「ダブル・ジョーカー 後編」)
「蠅の王」
「仏印作戦」
「柩」(アニメ11話)
「ブラックバード」
特別収録「眠る男」(単行本未収録)

シリーズ2作目である「ダブル・ジョーカー」を読んで、前作『ジョーカーゲーム」は「D機関」とは何か?という点を「読者が理解する」為に用意された話で構成されていたんだと感じました。

『ダブル・ジョーカー』に収録されている6作(特別収録含む)は、視点が第3者であり、「誰がD機関の人」であるかが、なかなかわからなかったり、登場シーンが「え?ここだけ?」ってのも結構あります。
「ここだけ?」でも遺憾なくその能力は発揮されてるんですけどね!

そして、時代背景も、一気に混沌としてきます。

「蠅の王」は北支前線、「仏印作戦」は太平洋戦争への「回帰不能点」とされる「南部仏印進駐」前夜のハノイ、「ブラック・バード」は「真珠湾攻撃」直前の西海岸、ロサンゼルスが舞台になっています。

特別収録「眠る男」は、第1作「ジョーカーゲーム」に収録されていた「ロビンソン」に登場する「スリーパー」の視点。
「ロビンソン」で始めてスパイ業界?の「スリーパー」という存在をしったのですが、結城中佐が「スリーパー」を仕込む手腕が凄まじいです。「ロビンソン」だけでは良くわからなかった「スリーパー」の意味がよくわかります。
「魔王の術中に嵌って眠った男」は、「魔王」にしか起こす事が出来ない!!


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シリーズ第3作『パラダイス・ロスト』

パラダイス・ロスト表紙 パラダイス・ロストアニメ限定表紙

角川文庫 価格:552円(税別)
【アニメビジュアル特大帯版】は期間限定

収録話

「誤算」(アニメ第3話)
「失楽園」
「追跡」(アニメ第10話)
「暗号名ケルベロス 前編」(アニメ第7話)
「暗号名ケルベロス 後編」(アニメ第7話)

シリーズ3作目で唯一アニメ化されていない「失楽園」は シンガポールの「ラッフルズ・ホテル」が舞台。タイトルはあの有名な「不倫小説」とは全く関係ないです。D機関メンバーはホテルのバーテンダーとして登場しています。
世界は戦争に向けてひた走っているというご時世に、そこだけは現実から切り離された「楽園」であるシンガポールのホテルの中だけで描かれる物語。

ジョーカーゲーム全編に漂う「哀憐」な空気は、その後の「日本の行く末」を知っているからそう感じるのかと思っていたのですが、「楽園」を舞台に繰り広げられるこの物語では、戦勝国であれ、敗戦国であれ、「戦争」という行為を止められなかった「人間」の「愚かしく、いとおしい」有様がより、鮮明に描かれているような気がします。

シリーズ第4作『ラスト・ワルツ』

ラスト・ワルツ表紙 ラスト・ワルツアニメ限定表紙

角川文庫 価格:600円(税別)
【アニメビジュアル特大帯版】は期間限定

収録話

「ワルキューレ」
「舞踏会の夜」
「パンドラ」
「アジアン・エクスプレス」(アニメ第6話)

シリーズ最新作の「ラスト・ワルツ」に収録されている話でアニメ化されているのは「アジアン・エクスプレス」だけです。

「ワルキューレ」はドイツでのお話。映画製作所が舞台となるのですが、「D機関」らしからぬ派手な作戦が決行されます。
最後まで、ミスリードに乗せられた感が一番強かったお話。
D機関メンバーと思われる「マキ」という人物が出てきますが、これが、「柩」の真木かどうかはっきりはわかりません。(わざとカタカナ表記?)でも、ドイツに長期潜伏しているというくだりがあるので、おそらく「真木」じゃないかと、、。

「舞踏会の夜」の舞台は「横浜」。おー日本だ!20年前、華族のご令嬢と「結城中佐」が交わした約束を軸に物語が進みます。「追跡」や「柩」同様「若き日の結城中佐」が垣間見られますが、相変わらず「深層」はつかませてもらえません。表題「ラスト・ワルツ」はこのお話からきているのか、「ジョーカーゲーム」のラストワルツなのか。うーんシリーズは続いて欲しいな~。

「パンドラ」に至っては、「D機関」の「影」しかお目にかかれませんが、それだけに「心理操作」の手腕が際立っています。が、「失楽園」で披露された手法と似ているかな?

アニメ化された「アジアン・エクスプレス」ですが、前後編のお話が1話になってしまった「暗号名ケルベロス」についで、小説で描かれる細かい描写がアニメでは感じ取れないのが残念だったお話。

特にラストシーンの瀬戸と結城中佐の無言のやり取りが、映像としてみる「アニメ」よりも小説で読んだ方が「風景」や「空気の動く気配」が感じられるワンシーンでした。

アニメ2期の可能性と小説の続編は?

アニメの2期が製作される条件として、よくBD/DVDの売上げがあげられますが、これは現時点ではまだわかりませんね。その他にも関連グッズや、イベントでの収益なんかも関連してきます。その辺の売上げも読めないんですが、作品のタイプ的に「グッズ」が売れるタイプではないような気がします。

そして、実際の収益とは別に、原作のストックという点でいうと、ギリギリな感じ?

シリーズ1作から4作までに収録されている短編で、アニメ化された話が9話、未アニメ化の話が7話(ロビンソンの裏話的な「眠る男」除く)

加えてD機関の「見せ場」として単純に登場シーンが少ない話もシリーズが進む毎に増えているような気もします。

1期と同じような配分だと、少し原作が足りない気もしますが、「ブラック・バード」や「ワルキューレ」などはじっくりと前後編で作ってもいい話だと思うので、ストックはギリギリある!って事にしたい!

個人的には「失楽園」のバーテンのカバーを纏った三好(名前でてきませんが、三好だと勝手にきめてます!)とか、「舞踏会の夜」で黒マントを纏ってワルツを踊る結城中佐とか!すっごくすっごく観たい!!

小説自体の続編情報は、出ていませんが現在JTサイトの「ちょっと一服」とダ・ヴィンチがコラボした「ちょっと一服ノベル」というサイトで、ジョーカーゲーム番外編「シガレット・コード」という短編が無料で読めるようになっています。

「誤算」の冒頭に辿り着くまでの島野のお話。JTコラボという事でタバコを吸うシーンが散りばめられています。そして「今月は島野亮祐」となっていますから、このスピンオフは続くのではないかと期待しています。

※ 無料ではありますが、全編を読むには「JTスモーカーズクラブ」への入会が必要です。
入会は無料ではすが、タバコ会社である為、運転免許証等、身分証明書を画像添付する必要があったりと、少し手間がかかります。当然ですが、残念ながら「未成年」の方は入会できません。そして、その他の作家さんの人気作品スピンオフも沢山掲載されているので、うっかり入会すると寝不足になっちゃうかもしれませんのでご注意を!

私は読みたい一心で入会しましたが、後日、紙媒体で発売してもらえるといいですよね!

あ、ちなみに入会手続き中に「今吸っているタバコの銘柄」を問われますが、本当に吸っているかの確認はないのでご安心ください!

全5話の「シガレット・コード」第1話はこちらで読めます!
『ジョーカー・ゲーム』の番外編が読める! 柳 広司書き下ろし新作を無料公開

ジョーカーゲームシリーズを読み終わって思う事

最初の方でも書きましたが、この小説の時代背景が第2次世界大戦突入前夜であるという事が、「スパイ小説」としての緊張感や切迫感が生み出すスリルに拍車をかけています。

「アジアン・エクスプレス」のラストシーンでの瀬戸の独白にこんな台詞があります。

スパイは平時においてこそ活躍する存在だ。いったん戦争が始まってしまえば存在意義そのものが失われる・・・・・・。

「D機関」のモデルとなった「陸軍中野学校」は「本土決戦」が濃厚となった昭和20年には、「スパイ学校」ではなく「ゲリラ戦特殊部隊養成学校」へと変換されたそうです。

結城中佐率いる「D機関」は、他国のスパイはもちろん、日本陸軍もドイツナチスも凌駕する能力をもってして、痛快にスタイリッシュに、全てを欺き、生き残ってくれる訳ですが、「ブラックバード」のラストで「真珠湾攻撃」の一報が入った後の物語は、まだ描かれていません。

戦争に突入してからの「D機関」の活躍は「知りたい!」と思う気持ちと、それでも免れなかった「絶望」を思うと「知るのが怖い」という気持ちが交錯してしまいます。

でもきっと、どんなに「ヤバイ」状況に追い込まれたとしても「D機関」のメンバーはクールに颯爽と「生き残って」くれるんでしょう。

「戦争をしらない子供達」が大人になり、国を動かし、社会や経済をまわしている今の時代に、この小説が多くの人の心を捉えたという事に、どこか安堵している自分がいます。

すっかり長文になってしましました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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コメント

  1. ちょび より:

    ジョーカーゲームアニメ最終話を見て二期は!?二期の可能性は!!?と検索してこちらのサイトにたどり着きました。
    原作が小説だということも知ってましたし、活字を読むのも好きなんですが、なかなか踏み出せずにもやもやしていました。

    じっくり読ませていただきました。
    既刊小説収録話とアニメの連動指定もありがたかったです、お疲れ様でした。
    個人的には昭和初期、大正明治のころの理不尽だけど硬派な日本軍が好きなので息子にすすめられてアニメを見たとたんに大ファンになってしまいました。

    が、アニメ作画の出来のよさや声優の素晴らしい演技、またビジュアルが美麗に描かれていることで小説を読んでもがっかりしないだろうかという不安もありました。

    本文の中でアニメでは描写がなかった部分が補完されていてそれが更にアニメの奥行きを増すようなことを書かれていまして、そこらへんを読んだあたりから早速書店に走りたくなってしまいました(笑)

    蛇足ですが、私もこのアニメはグッズが売れるタイプのアニメではないように感じます。
    なんとなく小説の方の売れ行きが伸びるのでは、、、と密かに考えています。

    思いついたまま書かせていただいたので乱文になってしまい申し訳ありません。
    原作を読んでからまたアニメを見返したときにまた違った感想が出てくるのを今から楽しみにしています。

    二期、本当にあるといいですね!
    それではこのへんで。
    長文失礼いたしました。

    • おこめ より:

      ちょびさん、初めまして!おこめでございます。

      コメントありがとうございます!
      「ジョーカーゲーム面白すぎる!」「みんな原作も読んでみて~!!」という勢いだけで書いた長文を、じっくり読んで頂けたなんて!感謝感激でございます!(いつも自分の文章は長くて読みにくいよなーと反省している次第でして・・・。)

      この記事が少しでもお役に立てて、ちょびさんが本屋さんへ走るきっかけになれたのだとしたら、こんなに嬉しい事はありません!ぜひぜひ、息子さんと一緒に読んでみてください!アニメを凌駕する「魔王=結城中佐」がいらっしゃいます(笑)

      混沌とした時代を生きた人達の「硬派」な感じ!かっこいいですよね~!今ではめったにお目にかかれない。

      とうとう最終回も終わってしまいしましたが、小説シリーズの続編とアニメ2期を祈りながら、小説片手にアニメリピート観賞しようと思っています!

      又、小説の感想なんて教えて頂けたら嬉しいです!

      本当にありがとうございました!