天皇陛下が『生前退位』の意向を示された。
というニュースが飛び込んできました。
聞き慣れない言葉に、動揺してしまったのですが、ニュース記事を読んだところ
ご高齢の為に、大きく公務を減らしたり代役を立てたりして天皇の位にとどまることを、天皇陛下は望まれていない。
と言う事なんですね。
摂政ではなく「生前退位」
皇室典範に、「生前退位」についての規程はなく、第16条に
国事に関する行為をみずからすることができないときは、
皇室会議の議により、摂政を置く。
となっているそうです。
摂政とは、即位する立場の方が、ご幼少であったり、女性であったりした時に変わって政務を行うという認識でしたが、体調の悪化などでも考えられる事なんですね。
でも、あくまで天皇陛下のご意向は
という事で「生前退位」というご判断に至ったのですね。
癌を患われてからも、度重なる大きな災害の度に、被災地へ向われて被災者の方達にお心を寄せて下さっているお姿を拝見するにつけて、ご自身のお体は大丈夫なのだろうかと、思っていました。
そうした、状況を踏まえて、数年まえから宮内庁ではご公務の軽減が検討されていたようですが、天皇陛下は
「天皇の公務について、公平に行われることが大切だ」
として、大きく変えられようとはしなかったそうです。
生前退位で年号は変わるのか
天皇陛下が譲位されるという事は、「年号が変わる」という事でしょうか?
多くの国民が体験した事のある改元は、「昭和」から「平成」に変わった時だけですよね。その時は天皇陛下ご崩御での譲位に伴う「改元」でした。
調べてみたら、
【元号法】というものがありました。
その第2条で
と定められていましたので、ご崩御に限らず譲位が行われたら、新しい元号に変わる、つまり「平成」ではなくなる。という事ですね。
昭和生まれの私にとっては、生きている間に2回改元するという可能性がでてきた訳です。
もう「昭和生まれ」ってどんだけなんだって感じになりますが、「昭和」長かったですものね。うん、しょうがない!
過去の「生前退位」や海外では?
「生前退位」というのは、私は、初めて聞いた言葉だったのですが、調べてみたら、神武天皇から昭和天皇までの124代の内、半数近くが「生前退位」されているそうです。そして、最後に生前に譲位されたのが、およそ200年前の光格天皇(江戸後期)
それって歴史で習ってなきゃ駄目なところですかね?恥ずかしながら全く知りませんでした。
海外では、2013年にローマ法王ベネディクト16世が退位表明をされましたが、ローマ法王の退位は600年ぶりという異例な事だったようで、「バチカン陰謀説」やら「マフィア陰謀説」なども飛び出したそうです。
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一方、同じく2013年にオランダのベアトリクス女王が王位を譲位されていますが、1代前のユリアナ女王も生前退位されていることなど、オランダ王室では珍しい事ではないのかもしれません。
「生前退位」されるのはいつ?
今回のニュースでは、天皇陛下は数年内での譲位を望まれていると言う事でした。
4年後には東京オリンピックという事もご配慮されて、このタイミングでご意向を示されたのではないでしょうか。
皇后陛下におかれましても、体調をくずされていらっしゃいました。
折に触れニュースで拝見する、天皇皇后両陛下の「国民に心を寄せる」という一貫したお姿が、度重なる未曾有の災害で不安になる気持ちをいつも癒して下さいました。
僭越ながら、どうかお二人には、ご公務を離れゆっくりとした時間を過ごして頂きたいと思う次第です。